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新刊のお知らせ

7月25日から全国書店で発売!
ネイチャーウォッチングガイドブック
ウミウシ 生きている海の妖精
加藤昌一 編 小野篤司 監修
誠文堂新光社 定価 3,360円
● 八丈島をメインに本州、沖縄までのウミウシ、変異、SPなどを含め425種を収録
● 特徴がひと目で分かる!各種ウミウシのイラスト解説付き
● これで安心!初心者から始められる、ウミウシ撮影術
● 短時間で上手にウミウシを見つける方法を紹介
● 見つけたウミウシの特徴から、各種ウミウシページにたどり着ける、見分け方図鑑
● 1900年代初期の和洋の絵画に見る「ウミウシの美」
● 本邦初の新しいウミウシも掲載!
本書は、ウミウシ・ファンの裾野を広げるべく、同定の決め手となるポイントを全てイラストで解説した画期的な本です。あなたが見つけたウミウシの同定に役立つのはもちろん、ウミウシを美しく撮影するテクニックや、ウミウシを上手に探すコツなど実践で使える実用書であり、かつ、美しいウミウシの魅力が伝わる写真の数々や歴史的な絵画も紹介した、見て楽しめるお得な1冊です。
まずはページを開いて、ウミウシたちの驚くべき美しさに触れてみてください。
写真下のウミウシシールは、本に掲載されたウミウシのイラストの中から厳選してレグルスで作りました。
3シートで48種類です。購入はレグルスにて320円で販売しています。
ウスメバル

幼魚 5cm
和名 ウスメバル 学名 Sebastes thompsoni 撮影者44
全長35cm。 北海道南部〜太平洋側は関東まで、日本海側は対馬、朝鮮半島南部まで分布する。
水深100m前後の岩礁域に生息する。
トゴットメバルより冷水を好み、幼魚は流れ藻で生活し、成長と共に深場へと移動する。
分布を見ても分かる通り、黒潮流れる八丈島には無縁の種類ですが、黒潮の内側に発生する冷水塊に浮く本州近海に流れる流れ藻が大量に八丈島にやって来てしまうと、あり得ないウスメバルの稚魚たちが入ってくるようです。
但し、彼らが流れ藻から離れるときは、その地域が冷水であること。つまり水温の高いところでは流れ藻から離れようとはせず、彼らに適した環境に流れ着いたときに流れ藻から離れると思われます。
ということは、彼らが八丈島で見られるときは、長引く冷水塊で冷え冷えとした八丈島になっていることになるね。
八丈島では見たくない魚だなぁ〜・・・。
ミナミゴンズイ

和名 ミナミゴンズイ 学名 Plotosus lineatus 撮影者44
全長20cm。 本州中部、富山以南、紅海〜西部太平洋に分布する。
以前、ゴンズイと呼ばれていた種類は、本州で見られる20cm以下の小型のタイプと沖縄などの南地域で見られる20cmを超える大型のタイプの2つのタイプが存在していました。
姿形はまったく同じですがサイズが極端に異なることから、2008年3月にミナミゴンズイとゴンズイの2種類に分けられたのです。
八丈島では見られるゴンズイは南の地域で見られる大型のタイプばかりなので、ミナミゴンズイであることが分かります。
但し外見上での違いは水中での確認及び写真での確認はほぼ不可能に近く、大きさからの判断でしか両者を分けることができません。
すると幼魚サイズになってしまうと・・・です。
もしかしたら本州で見られる小型のゴンズイたちも八丈島で見られる可能性もありますが、取りあえず八丈島のものはミナミゴンズイということにしておきましょう。
ゴンズイもミナミゴンズイも背ビレと胸ビレに計3本の大きな棘があり、この棘には毒があるので有名で、海辺の危険な動植物に必ずお目見えする常連です。
でもこれは釣りなどで捕獲して素手で握った場合に刺されてしまうと言うことで、ダイビングでは、ゴンズイを触ろうとしても無理です。握れたらある意味そちらの方が凄いかも。
なのでまったく危険はありません。
写真はカメの甲羅をクリーニングしている最中のゴンズイです。

ゴンズイはフェロモンを出して仲間を引き寄せ、団子状の群れで行動します。これを「ゴンズイ玉」と呼びます。
ではこのゴンズイ玉に捕食魚が捕食の為に突っ込むような感じで素早く手を入れてみて下さい。
するとゴンズイ玉は打ち上げ花火のように見事に四方八方に分散します。
これは外敵に襲われたときに、拡散することで敵の標準を狂わす効果があるのです。
見事な群れによる防衛手段ですね。
伊達にフェロモンをムンムンさせてるわけではありません。
クロメバル

幼魚 5cm
和名 クロメバル 学名 Sebastes ventricosus 撮影者44
全長25cm。 北海道南部〜九州、朝鮮半島南部に分布する。
本州沿岸の温帯域ではとてもポピュラーな魚で、食用魚としてもお馴染みの魚ですが、ここ八丈島では極めて稀な種類となってしまいます。
2008年の夏、標準和名「メバル」は、「アカメバル」「クロメバル」「シロメバル」という独立した3つ種類に分けられたのです。
一般に食用となる馴染み深い魚が3種類に分かれてしまうんですよ。言い換えればタイやヒラメが3種類に分かれてしまうというぐらい驚きの事実です。これで魚類図鑑から「メバル」という表記が消えてしまいます。。
もっともメバルは元々、北海道から九州、朝鮮半島南部に広く生息していて、赤色系や黒色系、白系などの複数のタイプがあることは以前から知られていました。
今から160年前、欧米の研究者が2種類に分けるべきと主張し、その後も分類をめぐっては議論が続けられていました。
論文にはアカメバルは体の色がが赤っぽく胸ビレの軟条数が15本、クロメバルは黒もしくは青黒色の体色で軟条数が16本、シロメバルは白っぽい体色に軟条数が17本と異なり、遺伝子レベルでも異るという結論に達したのです。

普段の八丈島では見ることのできない温帯種となりますが、冷水塊シーズンとなると年によってアカメバル、クロメバル、シロメバルの幼魚たちが現れます。
写真の幼魚はクロメバル。でも色彩は黒くもないし青黒くもなく、アカメバルと同じような赤褐色の色彩となってしまうようです。
やはり幼魚では色彩は当てにならないようですね。結局軟条の数を数えるしかありません。
1本、2本、3本・・・・・・・、16本!クロメバルに決定!!
キンメダマシ

6cm
和名 キンメダマシ 学名 Centroberyx druzhinini 撮影者44
全長 30cm。 南日本以南、インド、西太平洋に分布する。
普段は水深100m以深の岩礁域に生息するダイビングでは見る事のできない深場の魚です。
ところが八丈島が冷水塊に覆われ水温がぐっと下がると、局所的ではありますが、水深50mのある場所まで上がってきて、しばらくはその場所で安定してみられるようになります。
なぜ彼らが水温が下がるとこの場所にやって来るのでしょうか。繁殖?それともこの場所に餌が集まるから?まったく理由は分かりません。
どちらにしても生態の状態で見られるのは八丈島でもこの場所だけなんです。
とは言ってもダイビングでこの水深まで見に行けるダイバーはそういないと思うし、見に行くこともお薦めできませんけどね。


